2010年 03月 07日
。。。
真っ暗な1日。
目が覚めても
暗い1日
目を開いても、暗い世界。
明日は、、、
あしたは見えるかもしれないと
少しはワクワクしながら目をつぶるのだけど
やっぱり、今日も暗い朝。
本当に、今は朝なのかも疑わしいのだけれど
ほんのり感じる明るさと
目覚ましの音と
それから、
大きな犬が起こしてくれる
だから、きっと朝なのだ。
暗闇の生活も慣れてしまうと別に。。。
だって、ずっと暗闇だから。
大好きだった母の顔も
大きな父の手のひらも
見た覚えはなくて
覚えているのは、温かな感触と
やさしい声だけ。。。
えっと。。。今日は、何年で
何月で、何日だったのかしら。。。。
なんだかどうでもいいのだけれど
大きな犬が、私に甘えてくる。
いつも一緒の犬
大好きな犬。
お散歩。。。その前に、君のゴハンだね
いつもの場所に、いつもの物はそろっている。
たまに来てくれるヘルパーさんが
きちんと、やってくれるんだ。。。
1人じゃ何も出来ない私。
なんだかね、
とっても疲れちゃってるなぁ。。。
大きな犬には悪いけど
ちょっと、寝かしてもらおうかな。。。
薬の棚は、、、
、、、ここだよね。
、、、これだけ飲めば
ゆっくりと、眠れるかしら。。。
。。。大きな犬よ
フワフワの温かい大きな犬よ
ありがとぅ。
明日は、ヘルパーさんの来る日だから大丈夫、大丈夫。。。
おやすみなさい。。。
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by sasakobo_b
| 2010-03-07 14:00
| 物語
2010年 03月 06日
3月の怪談。
猫を飼っていた。
白くて長い毛の、可愛いオスの猫。
名前はミー
あっ、
頭の所に、少し黒い毛の部分があって
目は、青と黄色のオッドアイ。
とっても綺麗な猫だった。
猫と私は仲良しで
よく、追いかけっこをして遊んだな。
寝るときは、私の布団の上。
重くって、寝苦しかったけど
でも、嬉しかった。
ミーは、悪さをして父に叱られると
私の布団に粗相をした。
猫のしっこは臭いのだ。
ある日、ミーのしっぽが
ぶんぶくりんに腫れていた。
毛は抜けて、
針で刺すと「パンッ」てはじけそうなくらい
プリップリに腫れていた。
慌ててお医者さんに往診に来てもらうと
検査が必要だと言われた。
検査の結果は、皮膚がん。
当時のミーは何歳だっただろう。。。
多分、1歳とか2歳とか
とっても若い猫だった気がする。
がんだと言われて、しばらくたって
ミーは野良猫を追いかけて
2階の窓から逃げてしまった。
屋根づたいに消えてしまったミー。
同級生が、しばらくの間一緒に探してくれたけど
結局は見つからなかった。
10歳年の離れた兄は「猫は死に目をみせねぇーから。。。」などと言っていたけど
元気な姿のまま、走り去って行ったから
きっと、どこかで生きていてくれてる
そう、信じていた。
ミーの事は、たまに
どうしてるかね、と家族で話題になったけど
フワフワの
温かな、白い毛並みを忘れかけていたある日
私が中学3年生くらいの時だったかな。。。
珍しく、母が私の部屋で一緒に寝るのだと言い出した。
「いいよぉー」
ちょっとうれしく
恥ずかしく
色々とお話しながら
2人で布団を敷いた。
そのお話の中で、すごく久しぶりに
ミーの話題になった。
「ミーちゃん、ちゃんと生きてるよね」
「がんだったから、死にに行っちゃったのかもよ」
「。。。うううぅん、きっと家族が出来てるよ
そのうち、オレの子供!って会いにきてくれるかも。。。」
「だといいね。。。」
。。。楽しく、懐かしく
愛おしく、ミーを思い出し
布団を敷きながら話していた
その時
私と母の手が一瞬、止まった。
ガサガサガサガサ。。。
今、敷いていた布団の中を
何かが走り抜けたのだ
そう、
丁度、
ミーの大きさ。
走り抜けた先は
私の部屋の物置。
すぐに駆け寄って、覗いたのだけど
何も居なかった。
怖くはなかった。
まったくと言っていい程。
「ミー?」
2人して、何故かそう呼んでしまった。
「ねずみの大きさじゃーないよ ね。。。ミー?か な。。。」
母と2人でキョトンと見つめ合い
なぜか、温かい気持ちでほっと息をついた。
「きっと、天国に居るんだね。」
「ありがとうって、言いに来てくれたのかな。。。」
「何もしてあげてないのに、ね」
「なんか、元気そうで、良かった。。。。。。
ちょっと、違うか。。。」
母と微笑み、泣きながら、布団を敷き直し
眠りについた。
ほんの少し昔の
ほんとの話。
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by sasakobo_b
| 2010-03-06 22:52
| 怪談
2008年 12月 02日
いばらの森。
ってのがありまして、その際に出品したサンキャッチャー

これを作った時のラフ描きにこんな文章を書き連ねておりました。
。。。
いばらの森
いばらのくらやみ
明るく光る 一粒の光
きっとそこには いばら姫
眠りに落ちた いばら姫
魔法のツムで
眠りに落ちた
姫さま探しに森の奥
王子は森の奥深く
いばらの森の奥の奥。。。
私の光の差す方へ
私の光の
差す方へ
お行きなさい 王子様
お行きなさい 王子様
いばらの森の
奥深く
小鳥が一羽飛んで行く
希望を一つ口にくわえて
王子様の所へ
飛んで行きます。
。。。。
綺麗に出来た
お気に入りの小鳥さんでした。
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by sasakobo_b
| 2008-12-02 10:00
| 詩
2008年 11月 13日
かつら。
もぅ11年前に他界しちゃったけど
どうやら、末期での発見だったらしい
うちの家族は昔気質な考え方で
嫁に出した娘には心配させねぇー。。。などと考えていたらしく
いっつも報告はギリギリ。
「ゆかよぉー明日お母さん、手術なんだけど
母さん、麻酔のアレルギー持ってるからもぅだめかもぉ。。。ゆかよぉー」
前日にそう言われても、私は不安で大きなお腹をさすりながら(長男君が入ってたの)
オロオロと泣くしかありませんでした。
手術は無事に終わったけど(麻酔にもいろいろあるらしぃ)
抗がん剤の治療は続きます
だるそうな母
髪の毛も抜け落ちて
気分も落ち込んで来てますが
前向きな母は、カツラを作りに行きました。
カツラってね、やっぱり不自然だったりしちゃうのですよ
眉毛もまつげも薄くなるからね
その辺の兼ね合いとか、以前からの知り合いはなおさらね
中には意地悪な人が居て、髪の毛不自然ねって言ってきたりね。
母は私が実家のそばに住む事を希望してました。
お金無いけど、都営の新しいの建つみたいだからモデルルームみたいの
見に行く?って話になってね
2人でどんなもんだか行ったんですよ。
そこで、パンフレットもらって帰ろうかってなった時に
受付のお姉さん達の笑い声と「絶対カツラだよ。不自然、おかしぃよねー」
あの。。。聞こえてますから。。。と思ってね
「お母さん、ちょっと文句言って来るよ私」とキッとにらんだのですよ。
おねえさん「やばいよ聞こえてる」
っち(私)
お母さんは「病気で毛が抜けちゃってかつらですから笑わないで下さいって言うの?」って
意思の強い顔で言いました。
「そっか。。。」
そんなこと、あの人達には関係ない
2人でなんだか落ち込んで
都営やめようか。。。となりました。
お家に帰って
「かつらなんかしなきゃいいのに。。。って」
そしたら「お前には分からない、こうなってみなきゃわからないよ」って
「ごめん。」
それから、私から髪の毛の事を言うのをやめました。
でも、お母さんは「今日は変じゃない?」って聞いてくれるようになりました。
「うん、今日も決まってる!何か言われたら、私がいいかえしてやるっ」
そんな会話を何度もやりとりしました。
あの日、自分もあのねーさんたちと同じ事して傷つけちゃったんだなって
すっごくごめんなさいな気分でした。
この間朝のワイドショーで乳ガンを患ったディレクターさんが
自らを撮影したドキュメンタリーを放送してました。
見ていてずっと泣いてしまった。
お母さんの気持ちがはじめて分かった気がして。。。
なんで、もっとそばにいてあげられなかったんだろぅって
カツラ可愛いねって言えれば良かった。。。
だんだん髪の毛の生えて来た母は
すっごくいきいきしていて
「うふふっベリーショート☆似合うでしょっ」って
もうカツラいらないねって幸せそうだったな
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by sasakobo_b
| 2008-11-13 23:38
| ぶつぶつ
2008年 11月 11日
ひと。
寝てる人
談笑する人
ぼーっとする人
本を読む人
携帯をいじる人
音楽を聴く人
昨日の午前の私は本を読む人
午後は大荷物を運ぶ人
いろんなところから
いろんな人が行き来する
二度と会わないかもしれない
偶然会うかもしれない
知らないひとたち。
目黒での作品展にもいろんな人が居た。
笑顔の人
感動の人
熱い人
暖かい人
微笑みの人
可愛い人
はじめは知らない誰かだったけど
今は知ってるあの人。
そんな中で私はどんな人だったかな。。。
楽しく
温かな空間は
そこに集ったみんなが創りあげた
たくさんの人の手や気持ちで進んだ
全ての人にありがとう。
人って苦手って事も多々ある、困った私だけども
思い切って手を挙げるって事も大切
人と繋がるってすごく大切
そう思えた
たくさんの人に勝手に元気をもらって
充電完了な気分。
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by sasakobo_b
| 2008-11-11 22:10
| ぶつぶつ